気象庁OBが教える!天気予報の発表の仕方とは!?

皆さんもご存知のとおり、気象庁では毎日の天気予報を発表していますよね。

私が現役の頃は、電話でよく「○○市の明日の天気を教えて下さい」というピンポイントの天気予報に関する問い合わせがありました。

でも、実は気象庁では、市区町村ごとのピンポイント予報は作っていません。発表しているのは、各都道府県の都市部を中心に考えた天気予報なんです。

目次

ピンポイント予報してるのは民間の気象会社?!

天気予報

もし、市区町村ごとに天気予報を発表するのであれば、予報システムの性能アップや職員を増やすなど、莫大な費用がかかってしまいます。

そのため、現実は人口の多い都市部を中心にした、大まかな基盤となる天気予報しか発表できていないのが現状です。

でも、疑問に思いませんか?

パソコンやスマホで天気予報を検索してみると、観光地やテーマパークのピンポイント予報って見ることができますよね。

一体、どうやって作られているのでしょうか?

実は、このようなピンポイント予報してるのは天気予報を発表しているのは民間の気象会社さんです。

気象会社は、その地域のニーズに合ったピンポイント予報を発表しています。

例えば、レジャー施設、農家さん、ゴルフ場…等々のような、おもに天気で仕事が左右される方々の場合、やはり気象庁の天気予報では予報範囲が広すぎて使い物になりません。

なので、独自で気象会社と契約して細かいピンポイント予報を利用しているわけです。
あと、テレビで放送される天気予報も、何だか局によって内容が違うと思ったことありませんか?

これは、気象庁が発表したものを使うテレビ局もありますし、気象会社が作ったものを使うテレビ局もあるので、局によって違いがあるのです。

そもそも、今となっては気象庁も天気予報の向上に力を注いでいるわけではありません。

なぜなら「傘が必要かどうか?」「洗濯物を干せるかどうか?」という電話もよく受けたのですが、このようなことに国がわざわざ税金を使って行う必要もありません。

そりゃそうです。
天気よりもっと重要な問題が山積されていますから、そっちが優先です。

もちろん、人命に関わる災害が予測されるときは別ですよ。

このことは気象庁も自覚しており、普段の天気予報であれば、民間の気象会社に任せるような流れに変わりつつあります。

じゃあ、気象庁はいらないじゃん!と思う人も多いでしょう。

う~~ん、、、確かに微妙ですね…いえいえ、いりますよ(笑)

注意報と警報については気象庁!!!

危険情報

先ほども少し触れましたが、人命に関わる災害が予測されるときは、注意報とか警報が発表されるわけですが、これは気象庁が発表するものと法律で決められているので、やはり無くすわけにはいきませんね。

このように、注意報や警報などの危険情報の発表義務のある気象庁なわけですから、今後、力を入れるのは天気予報ではなく、やはり災害を減らす「減災」であることに間違いありません。

より細やかで、分かりやすい危険情報をいかに早く発表するかといったところでしょう。

現在、気象庁は注意報と警報について気象会社のピンポイント予報のように市区町村ごとに発表をしています。

今までは、地域をまとめた広範囲に発表していたのですが、これだと一体どこが危険なのか分からないので、平成22年からもっと細かく分かるように市区町村ごとの発表へ変わりました。

今後は、もっと細かい地域での危険情報の発表が、より正確な避難指示・命令に役立つのは目に見えて分かります。

こういうことは、しっかりと予算をかけて犠牲者を一人でも減らすようなシステムを導入してほしいものです。
とはいえ、良いシステムを導入したからといって、危険情報を発表してハイおしまい!

では何の意味もありませんので、普段から地元の方々や教育機関への普及啓発に力を入れたり、実際に非難指示・命令を出す自治体の方々との連携も強くする必要があります。

気象庁はこの先、その地域における「減災」を目標とした活動へ移行するはずなので、普段の天気予報は気象会社に任せて、高精度な災害予測は気象庁が行うことになっていくわけですね。

1mm以下は降っても雨じゃない

皆さん、天気予報の雨ってどんなイメージですか?

「なに言ってんの?頭の上に一粒でも雨滴が落ちたら雨でしょ!」

と思う方もいるのではないでしょうか。

実は、天気予報の雨というのは降った雨が地面から1ミリ以上溜まる場合を「雨」と定義しています。
とても弱~い雨だと、地上から1ミリも溜まらないことも多々あります。

なので、私も現役のときは、薄い雨雲が空に掛かる程度のときは「パラパラと降るくらいかな~」って判断して「曇り」で予報を発表していました。

まぁ予想外に土砂降りになったりしたこともありましたが・・・

なので、弱い雨が降ったとしても、天気予報では雨になっていない場合が多いのです。

所により雨という表現!

天気予報は、3時間ごとの間隔で天気を発表

天気予報は、3時間ごとの間隔で天気を発表します。
これは、3時間の中で天気の占める割合を大よそ決めておきます。

例えば、
9時~12時は全体で「晴れが6割」「曇りが4割」を占めると予想したら「よし、晴れる時間の方が長いから予報は「晴れ」にしよう!」と決めうちする感じです。

逆に9時~12時で「曇りが7割」「雨が3割」を占めると予想したら「曇りの方が時間が長いけど雨が降るのは確実だから「雨」にしよう!」とも決められます。

ここで厄介なのが、微妙な厚さの雨雲が散らばって空を覆う場合です。

こんなときは、局地的にあちこちで弱い雨が降ったりします。

このようなときに「所により雨」という表現を使います。
要は「場所によっては雨が降りますよ~」という何とも曖昧な言い方をします。

まとめ

今回は、ザッと天気予報について書いてみました。

全部を書くのは無理ですが、こんな感じで予報しています。

なんか色々知ると面白いでしょ!もっともっと知ってるようで知らない天気予報の面白話発信していくのでまた読みに来てくださいね!

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この記事を書いた人

元、気象庁のotenkitarouです。

仕事で得た知識など気象や自然の事の疑問に思ってる事などを、紹介していこうとしてるイケメン

 

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