【八重山諸島】琉球神道と伝統行事~日本の神道と比較~

はいさい! 石垣島のMIKAですん♪

今さらですが、新年明けましておめでとうございます!(笑)

皆さん、お正月にはお雑煮とお節を食べましたか? 節分になったら豆まきをして厄払いをし、恵方巻きを食べて願い事を一生懸命頭の中で唱えますよね。

3月3日は雛祭り、桜が咲く頃には春分の日、5月5日はこどもの日、7月7日は七夕……というように、
日本の伝統行事は季節と季節の節目に催され、家族のしあわせを祈ったり、神様に願い事を託したりしますよね。

そういった習慣は沖縄でも勿論あるのですが、ご存じの通り昔は違う国でしたので、基本的な考え方が同じでも本土とは異なった伝統行事や風習があります。

せっかく沖縄に行くのだから、思いっきり沖縄らしいものを見てみたい!

という方は、このページにまとめられている伝統行事をチェックして、その年の開催日程を調べておくと良いのではないでしょうか?

というわけで今回のテーマは、「琉球神道と伝統行事」です!!

目次

琉球神道って? 日本の神道と比較してみた

伝統行事についてお話しする前に、まずは「琉球神道」というものをご紹介したいと思います。

「神道」とは

そもそも、「神道(しんとう)」って何でしょうか?

それは、この世には八百万(やおよろず)の神々がいて、人々が神社を建ててそれらを祀っているという、日本固有の信仰のことです。

「日本神話」の基となった「古事記」では、天皇家は神々の末裔であるとされています。

農耕が始まり、集落ができ、大樹や岩を「ご神体」と見立てて崇め、
五穀豊穣や無病息災、村の存続を願ったりするために社(やしろ)を建て、やがてそこが神域となり、その入口に鳥居が設置されるようになった――というのが、大まかな神道の成り立ちです。

「君の名は。」では、1200年前の隕石落下跡地が宮水神社のご神体となっていましたね(笑) そう、つまりあれのことです。

「琉球神道」の特徴

琉球王国にもかなり似た思想があり、大和神道(琉球神道と比較するためにここではこう呼ぶことにします)では、
太陽神「天照大神(アマテラスオオミカミ)」が天皇家の祖にして日本国民の総氏神(そううじがみ)――ちょっと難しい話になってきましたね!(笑)

要するに、神々のトップ的存在になっていますが、
琉球では「火神(ヒヌカン)」という、同じく太陽(もしくは火)の神を中心に崇め奉っています。

なので、仏壇のご先祖様と同じように、もしくは神棚のように、県内の家庭では台所でヒヌカンが祀られているのです。

また、大和神道では神々の住まう世界を「高天原(たかまがはら)」、琉球神道では「ニライカナイ」と呼んでいます。

ニライカナイは遥か東の海の果て、もしくは海・地の底にある理想郷とされ、豊穣や生命の源であり、生者の故郷にして死者の魂(マブイ)の還るところと考えられています。

ニライカナイに還った魂は死後7代で祖霊神となり、一族の守護神になると信じられている点は琉球神道固有のものですが、本土でもご先祖様を敬い大切にしようという考え方がありますよね。

琉球王朝は祭政一致(宗教と政治が一体化していること)の方針で国を治めていたため、今でも県内各地に御獄(ウタキ)という社があり、神事はそこを中心に行われていました(御獄は神社と同じ聖域とされているため地元の人以外は立入厳禁となっています)

農耕カレンダーにも即した神事は旧暦に則って、現在でも伝統行事として受け継がれています。

観光にもオススメ! 見応えのある八重山諸島の伝統行事

難しい話はこれぐらいにしておいて(笑)、そろそろ本題へ参りましょう!

また、旧暦によって開催日程は毎年変わるので、見てみたい方は事前に確認しておいてくださいね。

旧暦正月(ソーグヮチ)

旧暦正月といえば中国からの観光客で溢れ返る時期というイメージが強いかもしれませんが(笑)、その頃沖縄県内では各家庭で第二のお正月が祝われています

地元の方は、いつか「ケンミンショー」で具志堅用高さんが紹介してくれた沖縄特有のお節を召し上がっているようです。漁港に行ってみると、豊漁と航海安全を願って挙げられた大漁旗が見られますよ。

旧暦3月3日:浜下り(ハマウリ)

女性たちが白砂や海水でお清めをして健康祈願をするために、ごちそうを持ち寄って潮干狩りをする日です。いわゆる、「雛祭り」の沖縄バージョンですね。

ドライブ中に見かけたら、ちょっと降りてみて便乗するのもアリかもしれません(笑)

清明祭(シーミー)

新暦4月上旬に行われる中国から伝わった祖先供養の行事で、旧暦正月・旧盆と並ぶ沖縄の三大行事とされています。

一風変わったお墓の前で人々がピクニックのような催しをします。

旧暦5月4日(ユッカヌヒー):海神祭(ハーリー)開催日

「ユッカヌヒー」とは、沖縄の方言で「四日の日」のこと。

その日に開催される「海神祭(ハーリー)」は海人の(昔のサバニ)手漕ぎボートのレース大会のことで、沖縄中が盛り上がります!! ハーリーデザインの切手を郵便局で買うこともできますよ☆

私も過去2回参加し、チームTシャツのデザインまでしたことがあるのですが(笑)、各離島・地域ごとに大会が開かれ、チームごとにタイムが計られ、順位をつけられます。

優勝チームは本島で開催される県大会に出場することができるんですよ!

ハーリーは新暦5月~6月頃に行われるのですが、ちょうどその時期に「カーチバイ」という季節風(強い南風)が吹いており、ハーリーが開催されたらカーチバイが収まって夏が始まると言われています。

旧暦6月:豊年祭(プーリィ)

呼んで字の如く、五穀豊穣と民の健康を願う伝統行事です。

一年のうち最も盛り上がる行事といっても過言ではありませんので、夏に旅行を計画している方はぜひその年の日程を確認してみてください!

石垣島の場合、町の中心部である新川・大川・登野城・石垣の住民が開催する「四カ字(シカアザ)」の豊年祭が最大規模となります。

開催場所は御獄(ウタキ)周辺となります、2日間かけて行われ、
奉納舞踊や綱引き、闘いの演技「ツナミヌン」が催され、地元民だけでなく観光客の目も楽しませてくれます。

勿論その他の集落や離島でも行われており、特に宮良という集落の豊年祭は、見学は可能ですが撮影が一切禁じられている「秘祭」とされています。

旧暦7月13~15日:旧盆

お盆の習慣は本土にもあるのでイメージしやすいかもしれませんが、沖縄県内各所では地元の青年会が町を練り歩き、先祖の供養のために伝統芸能「エイサー」を披露してくれるので、必見です!

のぼりや太鼓の音を頼りに探してみましょう。

また、八重山地方ではニライカナイの使者とされている「ウシュマイ(お爺)」と「ウミー(お婆)」が現れ
珍問答を繰り返し、歌や三線、太鼓、笛の音色に合わせて踊りながら家々を訪ね、同じく先祖を供養します。

また、波照間島では旧盆の中日(ヌカヌヒー)に「ムシャーマ」という豊作祈願と先祖の慰霊のための行事が行われます。

五穀豊穣と幸福をもたらす神「ミルク」(弥勒菩薩が元)がニライカナイから現れ、町中を回ります。同じく、伝統芸能で盛り上がるイベントです。

※ウシュマイ・ウミー・ミルクは仮面を被っているのでちゃんと中の人がいます(笑)

旧暦9月7日:風車祭(カジマヤー)

数え年97歳は「人生の十字路に差し掛かる時」「童心にかえる時」とされている節目であるため、長寿を祝う「風車祭(カジマヤー)」というお祭りが開催されます。

その歳を迎えた方がその日の地元の主役となり、晴れ着になって派手な車に乗り、七つの辻と七つの橋を通過するためにパレードが行われ、長寿にあやかろうとする人々が握手を求めます。

シンボルとなっている風車は縁起物とされており、カジマヤーを迎えたご老人の家に行くともらえるそうです。

旧暦9~10月:種子取祭(タネドリ・タナドゥイ)

竹富島で開催される伝統行事で、1977年に重要無形民族文化財と認定されたものです。

10日間に渡って行われ、地元の人や観光客が集まって大賑わいとなる竹富島最大のイベントなので、船と宿を確保するのが非常に大変なんだとか…(笑)

あとがき

いかがでしたか?

私は琉球神道どころか旧暦という概念すら知らずに石垣島へダイビングしにやって来たのですが、
最初の年に見た豊年祭は大迫力で、仲間と一緒に盛り上がるハーリーに至っては2回もの参加経歴を作ってしまいました(笑)

伝統芸能に興味がある方、ディープな沖縄を覗いてみたいという方には特にオススメ!!

海のレジャーやグルメだけではなく、琉球王国の面影を感じる祭事もぜひご堪能くださいね!

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この記事を書いた人

石垣島を愛し、石垣島で色んな遊びを追求するチーム「石垣遊び」のスタッフ!
実は中の人は一人じゃありません!
そのうち分けようと思ってます、すみません!

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