元、気象庁職員が教える!沖縄の梅雨について

元、気象庁職員が教える沖縄の梅雨について
otenkitarou

梅雨・・・ホント嫌ですね・・・ジメ~とするし・・・
クセ毛の私は、全然髪型がまとまらずイライラ全開で過ごす季節です。

6月に入ると、ニュースで「沖縄地方が梅雨明けしました!」って流れますよね。

東京に住んでいる人から見ると「いいな~早く梅雨が明けて~夏真っ盛りじゃん!」と思うでしょう。

はい、そのとおりです(笑)

目次

梅雨入り

梅雨入り発表

実は、この夏前の梅雨入り発表というのは「速報値」になります。

どういうことかというと、週間予報でもこの先雨が続くとか、晴れの日が少なくなりそうだと判断できたら、とりあえず梅雨入りを発表して

otenkitarou

「大雨の季節に入りましたよ、気を付けて下さい。」

と早めに注意喚起を促すわけです。

なので「梅雨入りしたと見られる」

いう曖昧な言い方をするわけです。

その後、9月に入ってから、その夏の気象状況を振り返り、改めて梅雨入り・明けの日を決めるのです。
これが「確定値」となり、その年の正式な梅雨入り・明けの日付として登録されるわけです。

「気象庁は後になって梅雨入り・明けの日付を変えている」と言われることがあるのですが、別に後になってコソッと変えているわけではなく、正確な気象状況を振り返って、しっかりした統計値を作っているだけに過ぎません。

梅雨前線

沖縄地方の梅雨明け

さて、沖縄に話を戻しますが、沖縄地方の梅雨明け発表には少々疑問を感じます。

梅雨時季に雨を降らす正体は「梅雨」です。
これは皆さんも一度は聞いたことがあると思います、この梅雨前線は、南から北へ移動していく性質を持っています。

これは、夏場にできる「太平洋高気圧」が徐々に強くなり梅雨前線を北へ押し上げていくので、南から北へ向かって順次、梅雨が明けていきます。

梅雨明け発表

沖縄の場合は、沖縄本島より南の位置に、石垣島や宮古島のように数多くの離島がありますよね。
ということは、南にある離島の方が早く梅雨明けするわけです。

しかし、気象庁は、先島諸島だけ先に梅雨明け発表することはしません。沖縄本島も梅雨明けが確認できたら、ようやく沖縄地方全体の梅雨明けとして発表に至ります。

こればかりは、そのような運用基準なので口出しすることはできませんが、う~ん、先島諸島だけ一足先に梅雨明け発表してもいいんじゃないでしょうか?

これは、離島に住んでいる方も同じように思っているはずです。

先ほど話したように、雨の注意喚起が目的ではありますが、やっぱ沖縄は観光産業が主軸ですので、早めに梅雨明け発表したほうが観光客の皆さんも「よし!行こう!」って気になると思うので、気象庁も検討してみてはいかがでしょうか。

otenkitarou

こういうのって大事だと思いますよ。

さて、梅雨と聞くと、雨の降る現象だと思われますが、実は、雨の降らない曇りが続いていても、それは梅雨になります。

梅雨の定義

気象庁ホームページにも梅雨の定義が書いてあります。

梅雨

「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象またはその期間」と定められていて、何だかふわ~としていてキレの悪い感じがしますが、

要は「雨だけじゃなく、ずっと曇りだったり、晴れの日があったとしても、それも梅雨になるんですよ」ということです。

なんか微妙な感じしまくりですね。

この梅雨の定義、よく見ると梅雨前線の文字がどこにもありませんよね。
そうなんです、梅雨前線がなくても、雨や曇りで天候不順が続いていれば、それも梅雨だということです。

梅雨明けは発表

なので、現役時代は「前線がないから梅雨明け発表してもいいんじゃない?」という電話をよく受けました。

梅雨前線以外の原因による天候不順であったとしても、やはり晴天が続かないと梅雨明けは発表できないのです。

しかも相手は自然ですので、雨の強さも日々変わりますし、晴れの日も多くなることもあり、気まぐれなため、定量値による梅雨入りの基準というのは存在しないのです。

空梅雨

梅雨前線というのは、北のオホーツク海高気圧と、南の太平洋高気圧がぶつかってできた前線です。(暖かい気団と冷たい気団がぶつかた面を前線といいます)

南の太平洋高気圧が弱いと、オホーツク海高気圧が北から南へとグイグイと押して、前線がかなり南下することがあります。
このような場合、日本列島はオホーツク海高気圧に覆われることになり、晴れの日が多くなって空梅雨になります。

通常の梅雨明けの順序は、南の太平洋高気圧が徐々に強くなり、南から北へとグイグイと押して、前線が北上していき梅雨明けに至るわけですが、この太平洋高気圧が例年よりも強い場合、一気に前線を北へ押し上げてしまい、早めの梅雨明けになって空梅雨になります。

北海道に梅雨はない?

otenkitarou

はい、ありません!

北海道に梅雨はない

全国で唯一、北海道だけが梅雨入り・明けの発表をしていません。

梅雨前線は、基本的に本州付近に停滞しやすいので、北海道に前線が長い間停滞することがないためです。
ただ、太平洋高気圧が弱いと、梅雨前線の端っこが北海道に差し掛かってしまい梅雨みたいな天候になる場合があります。

これを「えぞ梅雨」と言うのですが、まぁ頻繁に発生する現象ではありませんね。

ということで、今回は梅雨についてお話ししましたが、梅雨が明けたら雨も降りやすくなりますし、夏休み中は水の事故も増えます。

梅雨ってなんなんでしょうねー無くした方が良いのではと勝手に思っています。

それでも、くれぐれもご注意くださいね。

最後に天気が悪くなると急にみんなレンタカーを借りる人が増えるので早めの予約をオススメします。

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この記事を書いた人

元、気象庁のotenkitarouです。

仕事で得た知識など気象や自然の事の疑問に思ってる事などを、紹介していこうとしてるイケメン

 

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