元気象庁○×△です。
沖縄県の天気予報はいろんな迷信で、戦争の事で色んな勘違いとか、アメリカのどこかの番組を見たのか知らないけど想像で言われることがあります。
そんなマニアックな質問の中から一部お答えしますね。
天気予報は軍事機密だった?
日本では、明治8年6月1日に東京で気象と地震の観測が開始され、ラジオを通じて天気予報を発表していました。
その後、太平洋戦争が勃発すると、天気予報は作戦上とても重要な情報になるので、軍事機密情報として扱われ国民にも知らされなくなりました。
たとえ台風が接近したとしても、国民に知らされることはなく多くの人が犠牲になりました。
このようなことから、今後、もし日本が戦争に巻き込まれたら、気象観測施設が最初に破壊されるとの憶測もちらほら聞きますが、戦争が起きてるわけではないので、それは分かりませんが考えると確かにって思い当たる節はあります。
しかし、衛生や他の国の施設やデータを借りる事も可能なのでその事を踏まえると無さそうです。
今後も気象庁は、今までどおり、皆さんに防災情報を提供する立場に変わりはありません。
ただ、気象施設を地図上から消したほうが良いとか、住所は公表しないほうが良いとか言う人がいるのも事実です。
気象庁が裏操作している?
天気は気まぐれです。
今まで晴れていたのに、突然の集中豪雨とか・・・
交通が麻痺するほどの大雪とか・・・
地震も長期的な予知はなかなか難しいです。
巷では、
「気象庁が極秘に作った装置で天候や地震を操っている!」
と言う人がいますし、ネット上でもそのような記事を見たことがあります。
元、職員の私が断言します。
そのような装置は・・・
ありま・・・せん!
さすがに、人間が地球を自由自在にコントロールするのは無理です。
なぜこのようなデマが流れるのかよく分かりませんが、気象庁が天候や地震を操作することはありませんし、そもそも不可能です。
しかし、雨の雲や台風など他の国では被害が大きいのでミサイルなど使って現在も操作目的でやっているのは事実で、日本も以前にテストした事はあったと聞きました。
ひまわり
衛星の技術もずいぶんと進歩して、今では数多くの観測が可能となりました。
波の高さも、以前は海上にブイを浮かべて測定していましたが、今は「ひまわり」が観測した画像から波の高さを算出しています。
このひまわりですが、平成11年に一度だけ打ち上げに失敗しています。
打ち上げ後、違う方向にロケットが飛んでいき、こりゃマズイということで、ロケットに積んである自爆装置で海上爆破しました。
こればっかりは仕方ありません、他国に落ちたら大変です。
それから数年後、新たな気象衛星ひまわりを打ち上げることになったのですが、打ち上げ直前になって、ひまわりの静止位置に、とある国の衛星がすでに居座っていたことがありました。
気付かずに、そのまま打ち上げていたら一体どうなっていたのか・・・
ぶつかって大破!?
宇宙ゴミ拡散!?
まぁどえらいことになります。
しかし、よく発見できたな~と思います。
もちろん気象庁が発見したわけではなく、他の国政機関が見つけてくれたわけですけど。
気象レーダーで雨を見る
気象レーダーは全国20箇所にあります。
白いドームの中にアンテナがあり、グルグル回って電波を発射しながら雨雲を観測します。
電波は空間を直進しますが、地球は丸いため、遠くへ行くほど高い雨雲を観測して、低い雨雲は観測できなくなります。
低い雲から雨が降るとき、気象レーダー画像には何も写らないのはこのためです。
ここで登場するのが、低い雨雲観測にも対応できる「国土交通省MPレーダー」
MPレーダー画像を載せている「XRAIN」というホームページがありますので、活用してください。
http://www.river.go.jp/x/xmn0107010.php
沖縄本島にはこのMPレーダーがあるのですが、先島諸島にはありません。
石垣島あたりを見るとXRAIN表示範囲外になります。
なので、石垣島では低い雲から雨が降るとき、把握する手段が無いわけです。
あと、霧雨のような細かい雨も気象レーダーで観測するのは難しく、雨粒が小さすぎて電波が反射しないためです。
なので、霧雨のときもレーダー画像には写らない。
於茂登岳山頂の石垣島気象レーダー
さてさて、於茂登岳山頂にも、石垣島気象レーダーがあります。
この気象レーダーは、撮影範囲は上空2Km以上 半径は400Km
周波数5.35GHz パワー250Kw 電子レンジの約300倍のパワーで動いているので、人体に当たるととっても危険です。
人体に当たると電子レンジと同じように体内に熱を持ち、チーン!とは鳴りませんが、マジで目玉から焼けちゃいます。
なので、興味半分で侵入してアンテナに近づいてはダメですよ。
チーンですよ(笑)
ちなみに、普段、皆さんはレーダー施設から離れて住んでいるので、体には一切影響ありませんのでご安心ください。
ゲリラ豪雨を命名
ゲリラ豪雨という言葉は、最近皆さんもよく耳にすることと思います。
実はこのゲリラ豪雨、昭和44年に気象庁職員が命名したのです。
ずいぶん前から使われていると思いませんか?
そもそもゲリラとは、不意打ちを食らうことなので、前もって敵の居場所を予測できていない状態。
急な大雨も同じで、前もって予想するのは難しいため、不意打ちを食らうことに同じです。
このように予想外の大雨をゲリラ豪雨といいます。
そうそう、このゲリラ豪雨は正式な予報用語ではないため、気象庁では使用してません。
気象庁職員が命名したのに、悪しからず。
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